環境学園は、今年度から文部科学省の職業実践専門課程に認可されました。その一環として企業連携による実験・実習・講義を行っています。環境技術保全学科テクノロジーコースの環境化学実験では、第一回の企業連携実習として、アジレントテクノロジーの販売代理店をなさっている金陵電機株式会社で、ガスクロマトグラフィーの最先端機器を用いた実習と講義を受けさせていただきました(5月20日のブログ参照)。
さて、第二回は本校にアジレントテクノロジーの山下先生と大河原先生をお招きして、環境分析や食品・医薬品・生体試料の分析で使われる固相抽出について講義と実験を行っていただきました。アジレントテクノロジーは、世界の主要な分析機器メーカーの一つで、試料の前処理など機器分析の周辺技術についても高い技術力を誇っていらっしゃいます。今回のアジレントテクノロジー出張講義を調整してくださいました金陵電機の丸山取締役様もいらしてくださり、学生たちも嬉しそうでした。
学校の今までの講義より一歩踏み込んだ内容で、分析のプロになるためのまさに実践的な講義をしていただきました。また、そのあとに続いた実験では、3種類の異なる固相抽出カートリッジを駆使して一つの溶液を3つの色鮮やかな色素に分けるというもので、楽しく面白く講義内容を理解することができました。最後に、残留農薬分析の前処理を迅速に行う方法として最近注目されているQuEChERS法の実験もさせていただきました。トマトジュースに完全に溶け合っていたアセトニトリルがこの方法であっという間に水と分離し、精製されて色素も除去されるさまは目を見張るものでした。でも残留農薬分析の前処理がいかに大変かをまだ経験していない学生諸君は、この方法のすごさはなかなかわからないかもしれませんね。山下先生、大河原先生、面白くためになる実験と講義をどうもありがとうございました。