ヒッグス粒子の存在をほぼ確認できた、という発表が欧州合同原子核研究所からあり、テレビなどでも大きく報道されています。素粒子に関しては、日本は最も研究が進んでいる国の一つであり、今回の実験でも多くの日本人が活躍しています。
ヒッグス粒子というのは、素粒子の質量獲得を説明するヒックス場理論から導かれるものですが、その存在を検証するのは極めて難しく「神の粒子」と呼ばれることもあります(本の著者は、いまいましい粒子と呼びたかったようですが)。現代科学の粋をつくした世界最大の加速を用いて、世界中の研究者が協力したことが、今回の成果につながりました。今後の更なる結果の積み重ねに期待します。
さて、本校でも物理の実験を行なっています。といっても、ヒッグス粒子のような難解なものではなく、身近なもの、そして、環境に深く関係するものです。ヒントは下の写真。
分かりにくいかも知れませんが、実はLEDの実験。電力消費の少ない照明、エコな灯りとして注目を集めているLEDですが、その原理を知る実験をしているところなのです。
LEDは省エネルギーですが、その原材料としてレアメタルが使われており、その資源の確保も重要な問題となっています。
今では身近になったLEDですが、その基となる理論や発見がなされてから、何十年も経っています。基礎研究が実用化されるまでには、長い年月が必要なのですね。
今回のヒッグス粒子。どんな形で、研究・応用が進んでいくのか楽しみです。