朝、出勤してくると職員通用門のところでモップを絞っているMさんによく会います。校舎の周りやホール等がきれいですがすがしいのはMさんのおかげです。成人のお孫さんがいらっしゃるとはとても見えない若々しさ。冬は外のお掃除は寒くて大変ではないですか?と言うと、寒くないですよ、大丈夫ですよ、と。ぽかぽかと暖かい手で、私の冷たい手を温めてくださいました。
先日、Mさんから心温まる話をうかがいました。就職面接の準備のため早朝から学校に来ていた学生を見かけたMさん。頑張ってね、と缶コーヒーを買ってあげたそうです。学生は、見事その日の面接を成功させ内定を取りました。卒業式も終わったある日、担任がMさんに渡したもの、それは学生が精いっぱいのMさんへの感謝の気持ちを表したきれいなハンカチでした。こんなことしてくれなくても、と言いながら、嬉しそうに壁に貼られた学生の写真を見つめるMさん。夏の暑い日に、汗を流しながら植物の手入れをする学生に冷たいジュースを買ってあげたら、喜んでねえ。この学校の学生さんは本当に優しい。私は自分の孫のように思っているんですよ、と優しく微笑んでいました。