2010-08-12

高校生が夏休み中に生物実験!

本校の学校説明会に参加された高校三年生のK君。
ヤマトヒメミミズに興味をもった彼は、いま本校の実験室を利用して実験に励んでいます。
実験の目的は、pHや温度など環境の違いがヤマトヒメミミズの再生速度に影響を与えるかを検証すること。寒天培地中で
ミミズを飼育し、温度を一定に保ったインキュベーターに入れて、定期的に増殖のようすを顕微鏡を使って記録しています。
8月末まで本校で実験をおこなうK君。よい研究成果があげられることを期待しています。


★ヤマトヒメミミズってどんなミミズ?
トカゲの尻尾切りやプラナリアに代表される動物の再生能力。この不思議な現象を解明しようと、ヒドラやプラナリアなどを使って多くの研究がおこなわれていますが、最近、注目されているのがこのヤマトヒメミミズです。
ここのミミズ、1993年に東北農業試験場で発見された新種で、体長は10mmほど。
破片分離とよばれる無性生殖によって増殖する特徴があり、1匹のミミズが10断片に分離し、数日後にはそれぞれの断片が頭と尾を再生して、完全な1匹のミミズになる能力をもっています。
寒天培地中で飼育すると、1断片が約2週間で元の大きさにまで成長し、それが再び破片分離します。つまり2週間ごとに約10倍に増殖するわけです。
ヤマトヒメミミズは寒天培地中で何年でも無性生殖だけで増殖できることから、不老不死の動物と考えられ、動物の老化や幹細胞のメカニズムの研究に期待されています。

寒天培地に餌となるオートミール粉末を入れて飼育。シャーレいっぱいにミミズが増殖しています(左)。

温度を約20℃に設定したインキュベーター。このミミズは暑さを嫌うとか・・・。