2010-10-01

創立記念日

 10月1日は創立記念日。授業はありませんでしたので、学生の皆さんは、就職情報収集や自由研究などに休日を活用したようです。
 さて、私たち教職員はというと、研修の旅に行ってきました。行先は岡山県にある「吹屋ふるさと村」と「津山洋学資料館」。吹屋ふるさと村は、岡山県西部の高梁市にあり、ベンガラづくりで栄えた町です。
 ベンガラとは酸化第2鉄。緑礬(ローハ。りょくばんとも呼ばれます)という緑色の鉱物原料を焼いて造られる赤色顔料です。

 ベンガラは陶磁器、漆器、衣料の下染め、家屋や船舶の塗料などに、古くから使われていましたが、最近は環境浄化のための触媒としても使われています。

 最初に訪問したベンガラ館は、明治頃のベンガラ工場を復元したもの。原料を焼き、沈殿させ、水洗いする工程は、まさに化学工場そのもの。

 精製されたベンガラを粉砕する動力源となる水車も残っていて、皆、感動でした。

 旧街道沿いベンガラ格子の家が並ぶ吹屋の町並みは、国選定重要伝統的建造物群保存地区になっています。

 その中にある旧片山家住宅にはベンガラのポスターなども展示されており、ベンガラを分析した化学者・三崎嘯輔の名前が記されていました。

 また、明治時代の植物の教科書も展示されており、皆、熱心に見つめていました。

 次に訪れたのは津山洋学資料館。江戸時代の末期に活躍した学者・宇田川榕菴などの資料が展示されているところです。宇田川榕菴は、医学・植物学・化学など、多方面の才能に長けた人物で、「水素」「酸素」「酸化」「還元」などの化学用語を作った人です。
 創立記念日、教職員も有意義に過ごした一日でした。