明日・明後日、11月22日・23日は「神農祭」です。「神農祭」は大阪の道修町で行なわれ、大阪では一年最後のお祭りのため、とめの祭とも言われています。
道修町は、薬の町として知られており、江戸時代、日本に入ってくる薬は、いったん道修町に集まり、全国に流通していました。今でも、武田薬品工業、塩野義製薬、田辺三菱製薬の本社など、数多くの製薬会社や薬品会社が集まっており、日本初の薬学の専門学校ができたのも道修町です。
その道修町にあって、薬の神様として長く親しまれている神社が、神農(しんのう)さん(正式名称:少彦名神社)であり、その大祭が「神農祭」なのです。
神農氏は中国の三皇五帝のひとりで、民に農耕を教え、草の効能を探して『神農本草』という本をまとめた事から、農業や医薬の神様とされています。また、少彦名命は、人間と家畜の病気治療の方法を定めたとして、日本神話に登場し、薬の神様とされています。日本の少彦名命と中国の神農氏を薬祖神として祀ったのが少彦名神社(別称:神農さん)であり、医薬関係者の篤い信仰を集めています。
「神農祭」は、文政5年、大阪でコレラが大流行した際に、道修町の薬種問屋が疫病祈願をしたことが始まりです。大阪のド真中のオフィス街に祭りの屋台が並び、スーツ姿のサラリーマンが行き交う姿は、今では、町の祭りから大阪の年中行事となり、大阪市無形文化財に指定されています。
明日からの祭りに備えて、道修町の通りには笹が飾られていましたが、その笹にぶらさげられていたのが大きな薬のパッケージ。各製薬会社の前に、自社の薬の大きなパケージをぶらさげた笹が飾られているのです。薬の町のお祭りならではの風景です。
実は、環境学園専門学校の卒業生も、多くが医薬品業界で活躍しています。本校の授業で身につけた、バイオテクノロジー、分析化学、品質管理、植物などに関する知識と技術を発揮しているのです。明日の「神農祭」にも、何人かの卒業生がお参りに行っているかも知れません。