2013-08-14

グッピーの飼育から学ぶ

本校の受付カウンターに水槽が置いています。その中には、グッピーという熱帯魚がゆらゆらと優雅に泳いでおり、来校者の目を楽しませてくれます。

さて、ここの水槽の水は、半年に1回しか交換しません。もちろんグッピーは生きていますので、エサを食べて糞をするので水は汚れる一方のはず。それでも水が濁ったり悪臭を出したりすることはほとんどありません。なぜでしょうか。

グッピーが排泄した糞が分解されてできるアンモニアは魚にとって有害なのですが、それを主に濾過用フィルター(綿製のシート)や濾過材(小さな穴のあいた陶磁器)にすむバクテリアが分解し、低毒化してくれます(それでも毒はたまるので水交換は必要)。

このバクテリアは酸素がないと活発に働きません。呼吸のための酸素が必要だからです。そこで水槽の水を、ポンプで吸い上げて水槽の上に設置してある濾過用フィルターに水滴を垂らすように落とし、水滴が少しでもたくさんの空気と触れ合うように工夫しています。酸素をたっぷり含んだ水が濾過フィルターや濾過材を通るときに、バクテリアがそれを分解してくれるのです。

水槽で魚を飼育するうえで最も大切なことは、バクテリアの生息できる環境をつくること。そのためには水槽の水にたくさんの酸素を溶け込ませることがコツです(エアレーションを入れるのも効果あり)。うまくバクテリアと共生できた水槽は、たまにしか水交換をしなくても良好な水質を維持できます。

水槽の中はいわば小さな生態系。魚の飼育から、ため池や湖沼の水質を保全する方法が学べるかもしれません。ご来校の際は、ぜひ受付の水槽をご覧くださいね。