皆さんこんにちは。山翡翠です。
学生は2月上旬から春休みに入り、学校も静かな毎日です。
今日は少し前の話ですが、1月末頃、いつものように
昼休みを過ごしていたところ、いつもよく質問してくる虫好きな
学生数人から、「先生!学校横の公園に、クワガタムシがいましたよ!」
「!?この時期にクガワタか・・・この辺りにいるとしらコクワガタかな?、
春と勘違いして越冬から覚めたんかな」と返したところ、実物を見てビックリ!
なんと!それは外国産のクワガタムシ・・・その名はギラファノコギリクワガタ。
本来は東南アジアの熱帯雨林に生息している種です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、外国産カブトムシ・クワガタムシの多くは
植物防疫法(主に農作物の害虫などが日本に入るのを防ぐための法律)の
規制が1999年に緩和され、日本への輸入が解禁されています。
今となってはホームセンターやペットショップ、インターネットで簡単に
手に入るようになってしまいました。
私もこれまで野山で外国産カブトムシのアトラスオオカブトを何度か拾ったことは
ありますが、外国産クワガタムシを野外で見るのは初です。
外国産カブトムシ・クガタムシが解禁されて以降、飼育個体が逃げ出したり、
意図的に放飼されてしまうケースがあとを絶たず、日本の生態系への悪影響が
表面化しているといわれています。クワガタの種類によっては、日本在来のものと
外国産のものとが交雑可能で、すでに野外でも交雑個体が発見されています。
とくに遺伝子攪乱という面での問題が大きいようです。
今回、学生が発見したギラファノコギリクワガタも、おそらく飼育個体が何かの
理由で逃げ出したものでしょう。すでにかなり弱っており、すぐに死んでしまい
ましたので、学生によって今は標本にされています。
学校では、授業・実習・卒業研究をとおして、外来生物の実態把握などの
調査にも取り組んでいます。興味のある方は、ぜひ、お問い合わせください。