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2010-12-17

PCR-RFLP

タイトルを見て何???写真を見ても???と思った人も多いと思います。でも環境学園に入学すると、高校まで文系だった人でも1年も経たずにわかるようになっているでしょう。

前にも紹介したこの授業では、メダカの保全について学んでいます。生き物の保全について考えるときに、遺伝子レベルで考える必要があります。そのため、自然のことを学ぶこの学科でも、遺伝子とは何か、どうやって遺伝子を調べるのかを実験しながら学んでいます。

メダカを殺さずDNAを抽出し、狙った部分のDNAを増やし(PCR)、特定の場所でDNAを切りメダカのDNAの個性を見る(RFLP)という実験をやってきました。この方法のことをPCR-RFLP法といい、その結果が右の写真です。この方法は、食品の産地を特定したり、犯人の特定をしたりするDNA鑑定にも使われている方法です。また、この過程で行うPCR法は現在の生物学、医学、農学、考古学などに欠かせない技術になっています。

これらの方法の原理、器具や機器の使いかた、生き物の保全への応用方法などをこの授業で身につけています。毎回レポート提出があるので、学生にとっては大変なところもあるかもしれませんが(毎回チェックする私も大変ですが)努力した分だけ実力がアップしていることに気づいている学生も多いようで、力作のレポートも増えてきました。この授業が始まった9月よりも、今月のレポートは明らかにレベルアップしています。実験は今回で最後です。これまでの集大成となる力作を期待!

2010-12-09

小さいけど凄い奴ら

前にも書きました(9月28日のブログ)が、自然環境保全学科の1年生の授業では、メダカの保全について学んでいます。
メダカは日本で一番小さい淡水魚なんですが、小さい体に似合わずいろんなことを学べる凄い奴です。

この授業では、メダカを近くの小学校で採集し、飼育しながら、DNAからわかった最新の研究から、メダカの行動だけでなく生物多様性、遺伝的多様性という言葉を深く理解していきます。

自然系の実習だけあって、メダカの尾ひれからDNAを抽出するので、メダカにとって優しい実験です。尾ひれは完全に再生して、何事もなかったかのように元気に泳いでいます。

DNAを取り出したメダカを飼育している水槽

環境学園の学生は、高校で生物を習っていなかった人がほとんどなので、はじめはDNAについて、何も知らず、難しいとか嫌だというアレルギーを持った学生も多かったようです。
でも論文を読みながら実験していくので、メダカのこともDNAのこともわかるようになるおいしい授業です。学生たちも実感してきたようです。


DNAを増やす装置(サーマルサイクラー)


グループで実験する学生

環境学園説明会に参加していただければこのメダカを見ることができますのでお楽しみに。