2013-09-27
モンゴル環境学習エコツアー報告 ゲル集落現状視察
モンゴルの首都、ウランバートルはあまり知られていませんが、約8割の住居がゲルで占められています。都会風のビル群は都市中央部のわずかな部分にすぎません。郊外に出ると道路は舗装されていないところが目立ち、ところどころに牛がうろうろしている風景に出くわしたあたりから、庭に番犬を繋いでいるゲル集落があらわれます。
一見、昔ながらの生活がそこにあるように感じ牧歌的な雰囲気が漂いますが、ゲルの中にはテレビなどの家電製品が備え付けてあり現代的な生活がそこにはあります。ゲル集落の生活環境にはいくつかの問題があり、以下のようなものが挙げられます。
【上下水道が整備されておらず生活排水が垂れ流しになっている】
生活用水は地下水を汲み取り、地域に設置されているタンクに
溜められたものから、それぞれの家庭が使用するものを分取し
ています。使用後の水やトイレの糞尿などの生活排水は下水道
が整備されていないので、周辺もしくは掘った穴に廃棄すること
になります。衛生的にみて問題であり、地下水への影響も懸念
されています。
【暖房用にストーブが使用されている】
モンゴルの冬は-30℃を下回ることもあり暖房は必須です。
暖をとるためにストーブを焚きます。薪以外に生活廃棄物を
一緒に燃やすことが常態化しており、排煙による大気汚染が
深刻です。
モンゴルでは日本円にして約15万円でゲル一張りを入手することが出来るので、まだまだひろく使われています。ウランバートル中心部では建設中のビルをたくさん見かけました。これから経済発展をとげるにつれて、徐々に都市的な生活が拡大していくと思われます。衛生や生活環境の側面から見ると上下水道が整備されていくのが望ましいことはわかりますが、ゲル集落がなくなっていく可能性があることは、少しさびしくなるような感じもしました。