2014-08-08

環境化学実験 企業連携 第3回

職業実践専門課程の一環として実施している企業連携による環境化学実験第3回目のご報告です。今回は京都大学にお邪魔しました。

環境化学実験は、環境技術保全学科テクノロジーコース2年生の実験科目で、分析化学や水質浄化技術などを実験を通じて学んでいます。第一回の企業連携実習は、アジレントテクノロジーの販売代理店をなさっている金陵電機株式会社で、ガスクロマトグラフィーの最先端機器を用いた実習と講義を受けさせていただきました(5月20日のブログ参照)。アジレントテクノロジーは、世界の主要な分析機器メーカーの一つで高い技術力を誇っていらっしゃいます。第二回は本校にアジレントテクノロジーの山下先生と大河原先生をお招きして、環境分析や食品・医薬品・生体試料の分析で使われる固相抽出について講義と実験を行っていただきました(6月17日のブログ参照)。さて今回は、京都大学の地球環境学堂で、アジレントテクノロジーの江藤先生による、原子スペクトル分析法についての講義を京大の学生たちと共に受けさせていただきました。原子吸光や、ICP発光、ICP質量分析法について、理論的なことから現場のちょっとしたコツに至るまでなかなか他では聞けないような講義でした。そのあと京大地球環境学堂の田中先生に、化学物質の環境リスクと環境中の挙動について講義をしていただきました。田中先生は、有機フッ素化合物による環境汚染に関する分野で、世界をリードする研究をなさっていらっしゃいます。講義のあとは研究室に移り、田中研究室の研究内容と分析機器について、大学院生の方々から詳細な説明や演示をしていただきました。

午前中の江藤先生による講義や、第1回・第2回の企業連携実習で学んだことが、研究室でICP-OESやLC-MS/MS、GC-MS/MSを大学院生に見せていただいたときに、頭の中の知識の断片がつながりあって、ビビッと来た、とは本校の学生の感想。一連の企業連携実習を通じて環境分析について理解が深まったと思います。年齢が近いこともあるのか、大学院生の方々に打ち解けた雰囲気で盛んに質問し、一つ一つ丁寧に対応していただきました。田中研究室の学生さんも、本校の学生も、環境を良くするために何かをしたい、という気持ちでつながるものがあったと思います。環境の分野でどこかでまた再会するかもしれないですね、とお互いに手を振って別れました。事実、田中先生が協同研究をなさっている水処理企業には昨年度の本校卒業生が就職している企業もあります。本校学生たちも今後技術者として成長していく中で、田中先生に教えを乞いに又お訪ねするかもしれませんね。

今回の企業連携実習も金陵電機の丸山取締役様のご尽力で実現しました。丸山様を始め、金陵電機の社員の方々も駆けつけて下さり、再会した学生たちも嬉しそうでした。最後に、和気藹々と記念写真に収まった面々にはどの顔にも笑みがありました。

アジレントテクノロジーの江藤先生、京都大学の田中先生、博士課程の鈴木さんを始め田中研究室の大学院生の方々、素晴らしい学びの経験をどうもありがとうございました!

環境学園専門学校@京大
田中研究室にて大学院生に研究内容の説明を受ける