2012-03-12

前を向いて歩こう

先週の金曜日、3月9日、16期生の卒業式が無事終了しました。今日は、その卒業式での校長式辞を紹介します。


ひと雨ごとに春が近づく、そんな言葉がぴったりの今日この頃、
多数のご来賓、並びに、保護者の皆様のご臨席を賜り、
本校、第十六回の卒業証書授与式を、
このように盛大に挙行できますこと、
高い所からではございますが厚く御礼申し上げます。
さて、環境学園専門学校 十六期生の皆さん、
卒業おめでとうございます。
心からお喜び申し上げます。

皆さんが入学してきた二年前、私は 一、専任講師でした。
皆さんが二年生に進級するとき、校長職を拝命しましたが
その後も授業を担当し、講義や実験を行ない、
卒業研究も受け持ちました。
皆さんと一緒に勉強し、皆さんと一緒に成長してきたつもりです。

そこで、この場で、私は、
十六期生の皆さんへの
最後の授業をさせてもらおうと思います。
黒板もチョークもないので
皆さんに教えたいことを紙に書いてきました。

前を向いて歩こう。



 


これが、最後の授業で私が皆さんに伝えたいことです。

これまで皆さんは様々な経験をされてきたと思います。
そして、これからも、様々な経験をされるでしょう。
苦しいこともあるでしょう。
悲しいこともあるでしょう。
でも、目をそむけず、目を閉じず、
しっかりと前を向いてください。

苦しいとき、つらいとき、
昔は良かった、と、
後ろを見たくなることもあるでしょう。
しかし、そこにあるのは、思い出です。
幸せではありません。
幸せは、後ろにはありません。
皆さんの前にあるものなのです。
もちろん、昔を思い出すなと
言っているのではありません。
しかし、後ろを振り返ってばかりいると、
せっかくの目の前の
幸せが見えないこともあります。
しっかりと目を見開いて前を向いたとき、
そこに道が見えてきます。
その道の先に幸せがあります。

もちろん、幸せばかりではないでしょう
苦しみも悲しみもあるでしょう。
そんなときは、どんどん泣いてください。
上を向いて涙をこらえる必要はありません。
どんどん泣いてください。
泣くことで目の汚れが取れるかも知れません。
泣き疲れれば良いアイデアが出てくるかも知れません。
どんどん泣いてください。
涙を隠そうとうつむく必要もありません。
うつむいて悲しそうにしていても
本当の幸せはやってきません。
やってくるのは同情や憐れみです。

流れる涙を隠そうともせず
しっかりと前を向いて
懸命に歩き続けている人、
そういう人に
本当の幸せがやってくるのです。

楽しいこともあるでしょう。
その時は大声で笑ってください。
前を歩いている人が振り向くような、
後ろを歩いている人が追っかけてくるような、
そんな楽しい大笑いをしてください。
仲間もできるでしょう。
一緒に歌を歌い、馬鹿話をしながら、
前を向いて歩いてください。

あわてなくてもいいです。
自分のペースで大地をしっかりと踏みしめて、
一歩一歩、歩いてください。
壁もあるでしょう。
落とし穴もあるでしょう。
つまずいて怪我をすることもあるかも知れません。
でも、しっかりと前を見ていれば、
次の困難にぶつかったとき、
今度は乗り越えることができます。
幸せは、皆さんが前を向いて歩いていく、
その先にあります。

環境学園専門学校 十六期生の皆さん
私の最後の授業で贈る言葉です。
前を向いて歩こう

平成二十四年三月九日
  環境学園専門学校
    校長 岡田博明