2011-08-11

未来が埋蔵されている金属

 先日、出張で静岡県富士市に行ってきました。天気は良かったのですが、富士山の周りにだけは雲が掛かっていて、その姿は見れませんでした。残念に思いながら、新幹線を降り、改札口を出ようとしたところで、富士山以上に素晴らしいもの(?)を見つけました。

 駅の広告に、元素の周期表です! 思わず、カメラのシャッターを切ってしまいました。広告主の日本軽金属はアルミニウムのメーカーであり、広告の周期表もアルミニウムの部分だけ色付けされています。

 アルミニウムは、一円硬貨、ホイル、ジュース缶、窓枠、航空機などなど、様々なものに利用されていますが、原料である鉱石のボーキサイトから純粋なアルミニウムを得る(製錬といいます)ときには大量の電気が必要です。そのため、現在、殆どが電気価格の低い海外で製錬されており、日本国内でアルミニウム製品を鉱石から一貫生産しているのは日本軽金属の静岡工場だけです。

 少し悲しい現実ですが、しかし、アルミニウムにはリサイクルがあります。鉱石からつくるのに比べると、格段に低いエネルギーでリサイクルすることができ、アルミニウムはリサイクルの優等生と言われています。アルミニウム再生工場は日本国内にも多数あり、空き缶などをリサイクルしています。
 軽いアルミ缶は、運搬のときのエネルギーが少なくて済みます。同じことは、電車にも当てはまり、アルミ合金の電車は、少ないエネルギーで動かすことができる省エネ型の電車です。
 これ以外にも、アルミニウムは環境対策の様々な用途に使われています。まさに、未来が埋蔵されている金属なのです。

 8月24日の「おどろき!環境実験会」でも、このアルミニウムが登場します。どんな形で現れるかは、乞うご期待! 実験会の詳細は

 http://www.kankyo.ac.jp/news/important/20110601-post-36.php 

をご覧ください。高校の先生、生徒の皆さんの参加、お待ちしています。