いよいよ明日から授業が始まります。新入生の皆さんも期待に胸を膨らませていることでしょう。その新入生へのメッセージ、一昨日の入学式での校長式辞を紹介します。
満開の桜が咲き誇る中、多数のご来賓のご臨席を賜わり 平成二十三年度 環境学園専門学校 入学式を このように盛大に挙行できますこと厚く御礼申し上げます。
環境学園専門学校の新入生ならびに 保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心よりお喜び申し上げます。
環境を守りたい、良くしたいという情熱を持って、全国各地から集まった皆さんを 大変 心強く思うとともに、その情熱に対し、我々も力の限り応え、本校の合言葉である「学びで地球に恩返し。仕事で地球に恩返し」を実現するため、教職員一丸となって 誠心誠意 皆さんの教育にあたるという決意を新たにしています。
さて、その冒頭となる入学式に際し、皆さんに三つの文字を贈りたいと思います。三文字とも「わ」と発音するのですが、言葉だけでは伝わりにくいので紙に書いてきました。それがこれ、すなわち「環・輪・和」です。
最初の「わ」は、環境の環の字です。
本校にとって最も縁の深い文字の一つですが、この字には、囲むという意味があります。まさに環境の定義であり、私たちを囲んでいる全てのもの、水、空気、土、植物や動物などなど、全てが環境であると言えます。
私たちは一人で生きているわけではありません。周りを囲む様々な生き物や物質に支えられて生きているのです。周りを囲んでいる様々なことに思いを巡らす。これが環境を考える第一歩だと思います。
この「わ」の文字の持つ意味を忘れることなく、本校での勉強に励んでもらえればと思います。
二文字目の「わ」は、車輪の輪の字です。
この字には、回るいう意味がありますが、健全なる環境においては、必ず、ものが回る輪が存在します。
植物がつくった栄養を動物が食べ、動物の排泄物を微生物が分解し、その分解物を植物が栄養として取り込むという輪であり、この輪こそが生態系の根幹です。
この輪がしっかりと回るようにすることが環境を守ることであり、本校での講義や実験の内容が、この大きな輪の どの部分にあたるのかを考えながら、勉強して欲しいと思います。
三文字目の「わ」は、調和の和の字です。
この字には、仲良くするとか、なごむとかの意味がありますが、環境分野においては、この和の気持ち、人間が自然と仲良く、なごみながら過していく、自然との共生の気持ちが、とても大切です。
そして、この和の字には、日本という意味もあります。
仲良くするとか なごむとかの意味を持つ この文字が、日本という意味も持っているのは、決して偶然ではなく、我が国の国民性を現わしているのだと思います。
おだやかで争いを好まず、互いに仲良く、気を合わせながら生活をしていく。それが和の国、日本の国民性であり、その意識の高さは、このたびの大震災でも示されました。
略奪や強盗もなく、皆が きちんと列をつくり配給を待つ。避難所では、非常に不自由な状況にありながらも、互いに協力し、助け合う。各地から支援物資が届けられ、頑張ろうの言葉を皆が口にする。
まさに、和の国、日本です。
今、様々な環境問題が世界中で起こっていますが、その解決には、この和の心が必要不可欠です。
自然を抑え込み征服しようとするのではなく、自然と調和しながら、自然と共に生きていく。そういった和の心あふれる社会の実現に向けて、頑張って欲しいと思います。
新入生の皆さんが、三つの「わ」の文字を忘れることなく努力され、二年後には、わっと驚くほど成長されていることを期待して式辞といたします。